今回は、ブラックジャックにおける「インシュランス(保険)」という戦略について、基本から損益判断まで詳しく解説していきます。
インシュランスとは、ディーラーの最初のカード(アップカード)がA(エース)の場合に利用できるアクションで、ディーラーがブラックジャックを完成させる可能性に備える「保険」のような賭けです。
一見すると便利に見えるインシュランスですが、果たして本当に有利な選択肢なのでしょうか? 結論を先に言えば、インシュランスは長期的に見るとプレイヤーにとって損になる可能性が高いです。
それでは、インシュランスの仕組みや使い方、損益に関する判断ポイントを、具体的な状況ごとに丁寧に見ていきましょう。
インシュランスとは何か?
インシュランスとは、ブラックジャックのゲーム中に、ディーラーのアップカードがA(エース)の時に限り選択できる特別なベット方法です。
ディーラーのブラックジャック成立に備える保険ベット
ディーラーのアップカードがAの時、もう1枚の伏せられたカードが10か絵札(J・Q・K)であれば、ブラックジャックが成立します。その場合、プレイヤーが21でなければ負けが確定し、通常の賭け金が失われてしまいます。
このリスクに備えて行うのが「インシュランスベット」です。プレイヤーは、元の賭け金の半額を追加でベットし、ディーラーがブラックジャックだった場合に配当を得るチャンスを持ちます。
インシュランスの支払いと損益のバランス
インシュランスが的中した場合、賭けた保険額の2倍、つまり元の賭け金と同額が払い戻されます。これはトータルで見ると、プレイヤーが負けたはずのラウンドで損失を回避できるという形です。
しかし、ディーラーがブラックジャックではなかった場合、インシュランスに賭けた金額は没収されます。つまり、インシュランスを繰り返しても勝率が低いため、結果的に収支はマイナスに傾きやすいのです。
インシュランスの実践例とその仕組み
以下の画像では、プレイヤーが最初に10ドルをベットしてゲームを開始しています。
このラウンドで、ディーラーのアップカードがA(エース)であるため、「インシュランス(保険)」をかける選択肢が表示されました。
プレイヤーはインシュランスとして、元の賭け金の半額である5ドルを追加でベットします。
この状態で、もしディーラーの伏せカードが10または絵札でブラックジャックが成立した場合、インシュランスベットには3倍の配当が支払われます。ただし、この場合は元の10ドルの賭けは没収されるため、トータルの損益は±0(プラスマイナスゼロ)となります。
逆に、ディーラーがブラックジャックでなかった場合、インシュランスとして賭けた5ドルはそのまま没収されます。つまり、インシュランスは「ディーラーがブラックジャックかどうかを予測する賭け」であるということです。
当たれば損失を回避できますが、外した場合は追加で損失を生む可能性がある点に注意しましょう。次のセクションでは、インシュランスを使うべきか否か、その損益判断について詳しく解説していきます。
インシュランスの4つの結果パターンを検証
「インシュランスって結局、使うべき?使わないべき?」
そんな疑問を抱えている方も多いでしょう。
ここでは、その答えを明確にするために、インシュランスを使った場合に起こり得る4つのシナリオを例に挙げて解説していきます。
今回はすべての例で以下の条件に統一しています:
- 本戦の賭け金:10ドル
- インシュランスベット:5ドル
それでは順に見ていきましょう。
【パターン1】インシュランス成功+本戦は敗北
この例では、プレイヤーの手札の合計が「17」、ディーラーのアップカードはA(エース)です。
この状況では、ディーラーがブラックジャックだった場合、プレイヤーは本戦で自動的に敗北となります。
実際にディーラーの伏せカードが10で、ブラックジャックが成立しました。
インシュランスは的中となり、ベットした5ドルに対して3倍の15ドルが払い戻されます。
ただし、本戦の賭け金10ドルは負けとして没収されているため、以下のように損益は計算されます。
- インシュランス配当:+10ドルの利益(5ドル → 15ドルの払い戻し)
- 本戦の損失:-10ドル
- トータル損益:±0(プラスマイナスゼロ)
このケースでは、インシュランスがリスクを回避する“保険”として機能しており、損失ゼロでラウンドを終えられる最もメリットのあるパターンと言えます。
次のパターンでは、別の結果がどう影響するかを見ていきましょう。
【パターン2】インシュランス失敗+本戦で勝利したケース
この例では、プレイヤーの手札合計は「20」。ディーラーのアップカードはA(エース)です。
このような場面では、ディーラーがブラックジャックかどうか不安になり、ついインシュランスをかけたくなるかもしれません。
実際には、ディーラーがバスト(21を超えて失格)したため、本戦はプレイヤーの勝利となりました。
この結果、以下のような損益になります。
- 本戦勝利で10ドルの利益(賭け金10ドル → 20ドルの払い戻し)
- インシュランスは外れたため、5ドルがそのまま没収(-5ドル)
計算すると:
+10ドル(本戦の利益)-5ドル(インシュランス損失)=合計+5ドルの収益
このケースではトータルでプラスにはなったものの、もしインシュランスをかけずにそのままプレイしていれば、利益は10ドルのままでした。
つまり、インシュランスをかけたことで、半分の利益を失ったとも言える状況です。
リスク回避のつもりがリターンを削る結果にもなり得る──そんなインシュランスの「もろさ」を感じる場面です。
【パターン3】インシュランス失敗+本戦も敗北した最悪のケース
この例では、プレイヤーの手札合計は「20」、ディーラーのアップカードはA(エース)です。
万が一に備えて5ドルのインシュランスをかけましたが、結果は思わぬ方向へ…。
ディーラーはブラックジャックではなかったため、インシュランスは外れました。
さらに悪いことに、本戦でもディーラーに負けてしまいました。
この結果、以下の損益になります:
- 本戦敗北 → 賭け金10ドルが没収(損益:-10ドル)
- インシュランス失敗 → 保険金5ドルも没収(損益:-5ドル)
-10ドル(本戦)+-5ドル(インシュランス)= 合計-15ドル
つまり、インシュランスをかけたことで通常より5ドル多く損をしたことになります。
このように、「念のため」の保険が裏目に出るケースもあるため、インシュランスの判断は慎重に行う必要があります。
プレイヤーがブラックジャック+インシュランスをした場合の展開
プレイヤーにブラックジャックが出た場合、本戦で勝てば通常2.5倍の払い戻しが得られます。
例えば10ドル賭けていた場合、25ドルが払い戻されて利益は15ドルです。
ただし、インシュランスをした場合は状況によって損益が変動します。
ここでは「ディーラーがブラックジャックかどうか」で分岐する2つのパターンを見ていきましょう。
ディーラーもブラックジャックだった場合
このケースでは、プレイヤーとディーラーの両方がブラックジャック。
そのため、本戦は引き分け扱いとなり、インシュランスは的中します。
- 本戦の賭け金10ドル → 引き分け → 損益 ±0
- インシュランス5ドル → 的中 → 払い戻し15ドル → 利益 +10ドル
合計損益:±0(本戦)+10ドル(インシュランス)= +10ドル
この場合、インシュランスをしたおかげでプラス10ドルの利益になります。
もしインシュランスをしていなかったら損益は±0にとどまっていたため、
「引き分けでも利益を出せた」という意味では有利なケースと言えます。
※ただし、このように両者がブラックジャックになる確率は約0.2%と非常に稀です。
ディーラーがブラックジャックでなかった場合
このケースでは、ディーラーがブラックジャックではなかったため、
プレイヤーのブラックジャック勝利が確定し、インシュランスは失敗します。
- 本戦の賭け金10ドル → 勝利 → 払い戻し25ドル → 利益 +15ドル
- インシュランス5ドル → 外れ → 没収 → 損失 -5ドル
合計損益:+15ドル(本戦)+ -5ドル(インシュランス)= +10ドル
インシュランスをしなければ**+15ドルの利益を得られていたところ、
今回はインシュランスをかけたことで結果的に5ドル損**してしまいました。
まとめ:ブラックジャック インシュランスとは得?それとも損?
ブラックジャックのインシュランスとは、特定の場面で使える一種の「予測型ベット」です。状況次第では損失をカバーできる一方で、無駄な支出になることも。冷静な判断が勝負のカギです。
まずは実戦で体感してみたい!という方は、安心・安全に楽しめるクイーンカジノでプレイしてみてください。経験を積みながら、自分に合った判断力を養いましょう!