スクイーズという言葉をご存じでしょうか?
近年のポーカープレイの中で注目度が高まり、多くのプレイヤーが取り入れるようになった戦略のひとつが「スクイーズ」です。決して難しいテクニックではありませんが、一度覚えると非常に強力な武器となり、相手から効率よくチップを獲得するチャンスを広げることができます。ここでは、その基本から具体例、そしてスクイーズの狙いについて解説していきましょう。
スクイーズとは?(基本の考え方)
スクイーズとは、すでに誰かがレイズしたあとに、別のプレイヤーがコールをした状況で、さらにもう一度リレイズ(3ベット)を仕掛けるプレイを指します。
具体例を挙げると、最初にPlayer6がレイズをし、その後にPlayer1がコールを選択。そこに対してPlayer3がリレイズ(3ベット)を行った場合、この一連の流れが「スクイーズ」と呼ばれます。
このプレイの目的は明確で、有利なオッズを手に入れることです。なぜなら、コールで参加したプレイヤーは往々にして「強力なハンドではないが、参加できる程度のハンド」を持っていることが多く、リレイズを受けるとプレッシャーを感じてフォールドに回るケースが少なくないからです。
スクイーズの効果と狙い
スクイーズには2つの狙いがあります。
- コーラーにプレッシャーを与える
コールで参加したプレイヤーは、基本的に中程度の強さのハンドを持っていることが多いため、3ベットに耐えられずフォールドする可能性が高いです。これにより、簡単にポットを獲得できる場合があります。 - 最初にレイズしたプレイヤーを下ろす可能性
最初にレイズしたプレイヤー(例ではPlayer6)は、ポジション的に不利な場面で強いハンドを保持していない限り、ある程度の頻度でフォールドを選択します。
実際にSnowieの推奨する戦略によると、
例えば、AQoやKQ、99といった比較的強いハンドでさえ、スクイーズに対してフォールドせざるを得ない状況が生まれるのです。このことからも、スクイーズがいかに強力で効果的なプレイであるかがわかります。
スクイーズに適したハンドの選び方
スクイーズに使うハンドの基準は、対戦相手のプレイスタイルや状況によって大きく変化します。スクイーズは単なるリレイズではなく、相手のレンジを把握したうえで戦略的に仕掛けるアクションであるため、適切なハンドの選択が勝敗を左右します。
相手のレンジによる違い
- 広いレンジでレイズ・コールしてくる相手
ルースなプレイヤーは多様なハンドで参加するため、こちらもスクイーズのレンジを広げることが可能です。彼らはプレッシャーに弱いため、スクイーズが効果的に決まりやすくなります。 - 狭いレンジでしか参加しない相手
タイトなプレイヤーは基本的に強いハンドでしか参加しないため、こちらのスクイーズレンジは自然と狭める必要があります。無理に広げてしまうと、リレイズ後に逆に捕まるリスクが高くなるため注意が必要です。
ポジションによる違い
- 有利なポジション(ボタンやカットオフ)
相手の動きを確認してから行動できるため、スクイーズのレンジを広げやすいです。ブロードウェイ系のハンドやスーテッドコネクターなど、多少リスクがあってもスクイーズに回せます。 - 不利なポジション(SBやBB)
ポストフロップで不利になりやすいため、スクイーズレンジは狭くするのが基本です。この場合は、プレミアハンドや安定して戦えるハンドに限定した方が堅実です。
一般的に適したスクイーズハンド
スクイーズ戦略では、以下のようなハンドがよく選ばれます。
- プレミアハンド:AA、KK、QQ、AK
- 安定したポケットペア:88以上
- 強めのブロードウェイ:AQ
- スーテッドエースの一部:A5s〜A2s(エクイティを確保でき、コールされても戦える)
Snowieによる推奨例
実際にポーカーソフト「Snowie」の分析によると、UTGがレイズ、BTNがコールという場面において、SBからスクイーズできるレンジは以下の通りとされています。
この例では、プレミアハンドはもちろん、状況次第でミドルポケットや一部のスーテッドハンドまでスクイーズ候補に入ることがわかります。つまり、スクイーズは相手と自分のポジション状況を総合的に判断して使い分ける必要があるのです。
ベットサイズの選び方
スクイーズを仕掛ける際のベットサイズは、自分のポジション(有利か不利か)によって大きく変化します。ベット額が小さすぎるとコールされやすくなり、大きすぎるとリスクが高くなるため、状況に応じた調整が重要です。
不利なポジション(OOP:アウト・オブ・ポジション)の場合
自分がアクションの順番で不利になるOOPでは、相手に安くフロップを見せてしまうとポストフロップで立場が弱くなります。そのため、やや大きめのサイズを選択するのが基本です。
- 目安は ポットサイズ +1〜2BB
- プレッシャーを強め、コールする側に負担を与えることが目的
この調整により、相手は弱いハンドで軽くコールすることを避けざるを得なくなり、こちらが主導権を握りやすくなります。
有利なポジション(IP:イン・ポジション)の場合
自分が後にアクションできるIPでは、相手の動きを見て判断できるため、必ずしも大きなベットをする必要はありません。
- 目安は ポットサイズ −1〜2BB
- 少し小さめにしても、ポストフロップで有利に戦えるため問題なし
この調整により、無駄にリスクを背負わず、効率よくスクイーズを仕掛けられます。
ポットサイズレイズの考え方
ここで重要なのは「ポットサイズ」という言葉の意味です。一般的なベット額とは違い、スクイーズにおけるポットサイズレイズとは、相手がコールする際に必要となる金額とポットの比率を指します。
具体例を見てみましょう。
- この場面では、スクイーズとして $13のレイズ をしています。
- そのとき、ポットは $20 になります。
- コールするためには、相手は $13(レイズ額)−$3(すでに投じた金額)=$10 を追加で支払う必要があります。
つまり、「コール額:ポットサイズ=1:2」 という比率が成り立つのです。これが「ポットサイズのレイズ」と呼ばれる考え方です。
スクイーズにおけるベットサイズの調整は、単に金額の大小ではなく、ポジションとポットサイズの理論を踏まえて設計する戦術です。不利なポジションでは大きめに、有利なポジションではやや小さめに設定することで、より効率的に相手へプレッシャーを与えられます。
まとめ
ポーカー スクイーズは、単なるリレイズではなく戦略的な武器として活用できるプレイです。状況に応じた判断を磨くことで、相手に強いプレッシャーを与えられるでしょう。オンラインで実践的に学びたい方は、クイーンカジノ を訪れて、本場さながらのポーカーを楽しんでみてください。